茜新社 / 小さい躰に白い蔭
1,171円
【このリアリティで少女猥画を描けるのは、未だに町田ひらくしかいない】
>わたしは今餌みたいに食われているのだ。
>食べても食べても減らない餌なのだ。
作中のこの台詞が、本作のすべてを物語っています。
厳粛な掟とともに、村ぐるみで少女の身売りを隠蔽する風習を描く中編「ほほえみ地童」の完成度が群を抜いて高く、ストーリーとエロスを両立した唯一無二の作風になっています。
皺の寄った中年の醜悪な身体と、少女の染みひとつない華奢な身体が対照的で、体格差も相まって「少女」のリアルな造形力が極めて高いです。
大人たちの社会で食い物にされて歪む少女の表情がリアルで、骨格レベルで「未成年」を描写しきっている表現力には舌を巻くばかりです。
少女たちのすべてが「ある種のしたたかさ」を持ちながらも、大人たちの構築された社会の前には無力である点も見逃せません。
鬱寄りのリアルに興奮できるのならば本作は間違いなくアタリでしょう。