さよならを教えて ~comment te dire adieu~ / CRAFTWORK

CRAFTWORK / さよならを教えて ~comment te dire adieu~


さよならを教えて ~comment te dire adieu~_sample CG01
さよならを教えて ~comment te dire adieu~_sample CG02
さよならを教えて ~comment te dire adieu~_sample CG03


さよならを教えて ~comment te dire adieu~_sample CG04
さよならを教えて ~comment te dire adieu~_sample CG05
さよならを教えて ~comment te dire adieu~_sample CG06


言葉、男、狂気、少女、さよなら――とある女子校の教育実習生である主人公は、精神的に疲れきっていた。不安、緊張、対人恐怖……そして、日々襲いかかる悪夢。彼は、迷い子のように放課後を彷徨い続ける。

鬱ゲーと名高い作品という事で手に取りましたが、主人公の性格が生々しいまでにリアルで衝撃的でした。
主人公は所謂コミュ障やHSPにありがちな、各ヒロインとの対話では機嫌を伺いつつ無難な会話を、しかしながらそれを終えるごとにヒロインの一言一言を反芻し、自己嫌悪や空虚な思考に陥る光景が散見されます。
それをやや難解な言葉を交えてリアルに書きだすサマは思わず感情移入してしまうほどでした。(自分もややその気質があるので…)
それを踏まえた上で、シナリオが進むにつれ突然感情的になったり、意表を突くような行動を主人公が行っていくサマは正に「狂気」と言えるでしょう。
また、電波ゲーともよく言われますがシナリオの大筋自体はわかりやすく、展開も(嫌な意味で)想像しやすいので常に胃をキリキリさせる様な感覚も味わえます。
CGに関してはグロくもどこか幻想的な物を感じさせられ、ひとたび触れると忘れられらないような唯一無二の魅力があります。(ちなみに実用性はほぼありません…)
そして何より音楽の出来が素晴らしく、最初はチープなmidiだなぁと思っていた曲でも徐々に没入していき、このゲームにとって欠かせない存在だと感じるようになりました。特にEDはこのゲームのコンセプトを完璧に描写したような素晴らしい出来。
総じて、クセは非常に強いですがどの作品とも一線を画す魅力を持っており、特に感受性の強い人や悲観主義の人にとっては、印象に刻み込まれる事間違いなしだと言っても過言ではないと思います。

2,750円